現在多くのサラリーマンが首に巻いているネクタイですが、その起源は多岐にわたります。また、何が本当の起源なのかもわかっていません。 一つ目は、3300年前に存在した古代エジプトのファラオであるツタンカーメンの首飾りが起源だとする説です。ツタンカーメンの首飾りはデージーを使用したもので、それを首にかけて飾りとしていたといわれています。 二つ目は、ローマ帝国時代の五賢帝の一人であるトラヤヌス帝の時代、すなわち紀元前一世紀から二世紀の前半にかけた時代です。この頃の絵には、首にネッカチーフを巻いた兵隊が描かれています。このネッカチーフにも諸説あり、一つは防寒のためにつけられたのだというもの(フォーカルと呼ばれています)、もうひとつは愛する人から送られたもので、故郷を離れてくる兵隊たちにとってお守りのような役目を担っていた、というものです。 三つ目は、クラヴァットです。これは、フランス語でネクタイという意味の言葉です。また、イタリア語でも近い音の言葉があります。クラヴァッテといいます。これもネクタイという意味です。この語源は17世紀にさかのぼります。ブルボン朝の第三代フランス王として君臨していたルイ14世の時代として知られているのがこの時代です。ルイ13世のためにクロアチア兵がフランスを訪問したとき、彼らは首にスカーフを巻いていました。これは、妻や恋人から送られたものだったといいます。それがルイ14世の目に留まり、興味をそそりました。ルイ14世は側近に「あれは何か」と尋ねましたが、その側近は「あれ」が指すのはそのスカーフではなく、クロアチア兵たちのことだと勘違いしてしまい、「クラヴァット(クロアチア兵)」と答えたといいます。